活動期UC・CDの維持療法に対するベドリズマブ皮下注射製剤、欧州医薬品評価委員会が承認を推奨

ニュース2020/3/2

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承認されれば、静脈注射と皮下注射の両製剤によるUC・CD唯一の維持療法に

武田薬品工業株式会社は3月2日、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎(UC)またはクローン病(CD)の成人患者さんを対象とした維持療法に対して、ベドリズマブの皮下注射製(SC)の承認を推奨したことを発表しました。

ベドリズマブは、血液中の白血球がもつ「α4β7インテグリン」というタンパク質を狙い撃ちにする生物学的製剤です。同剤は、消化管の血管とリンパ節に選択的に発現している「腸粘膜アドレシン細胞接着分子-1(MAdCAM-1)」というタンパク質に、白血球がα4β7インテグリンを介してくっつくのを邪魔します。α4β7インテグリンをもつ白血球は、潰瘍性大腸炎とクローン病における炎症に重要な役割を果たしていることが明らかになっています。つまり、同剤は、ある種の白血球細胞が炎症を起こすために消化管へやって来るのを防ぐ狙いの薬です。

CHMPによる肯定的見解は、現在、欧州委員会で審査されており、承認された場合、ベドリズマブはEU全域で、静脈内投与と皮下投与の両方の製剤によるUCまたはCDの唯一の維持療法となり、患者さんが治療を受ける際の大きな選択肢となります。なお、同社は、ベドリズマブの皮下投与において、プレフィルドシリンジ製剤およびペン製剤の両方を申請しています。

ベドリズマブ皮下注射製剤の安全性および有効性を評価したVISIBLE試験に基づいた見解

今回の見解は、中等症~重症の活動性潰瘍性大腸炎またはクローン病の成人患者を対象に、維持療法としてのベドリズマブ皮下注射製剤の安全性および有効性を評価した臨床第3相試験「VISIBLE試験」に基づいたものです。

同社は「UCおよびCDは生涯にわたる疾患であり、患者さんのさまざまな嗜好やライフスタイルに合わせた治療選択肢があることが重要です。当社は、欧州委員会の承認決定、ならびにEU全域においてUCおよびCD患者さんに対してベドリズマブの皮下注射製剤が投与可能となることを待ち望んでいます」と、述べています。

(IBDプラス編集部)

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