活動期CD対象の第3相試験、ベドリズマブ皮下注射製剤が52週時点で臨床的寛解を確認
ニュース | 2020/2/20
プラセボと比較して有意に高い臨床的寛解を達成
武田薬品工業株式会社は2月17日、オーストリアのウィーンで開催(2月12~14日)された第15回欧州クローン病・大腸炎会議(ECCO)において、「ベドリズマブ(製品名:ENTYVIO)」の皮下注射製剤の有効性および安全性を評価したVISIBLE2試験の最新データを発表したことを公表しました。
VISIBLE2試験は、中等症~重症の活動期クローン病成人患者さんに対し、ベドリズマブ皮下注射製剤による維持療法を行ったときの有効性と安全性を評価する臨床試験です。ベドリズマブは現在、点滴静注製剤として承認されています。
今回の試験は、治療開始時点(0週)および2週時点にベドリズマブの点滴静注製剤による静脈内投与を2回行う導入療法を行い、6週時点で臨床的に改善した患者さんに対して実施されました。その結果、52週時点で臨床的寛解が得られた患者さんの割合は、ベドリズマブ皮下投与群の方がプラセボ投与群よりも有意に高いことが示されました(48.0%対34.3%)。
安全性も、ベドリズマブ点滴静注製剤で認められたこれまでのものと同様
また、52週時点で大幅な臨床的改善が得られた患者さんの割合は、ベドリズマブ皮下投与群で52.0%、プラセボ投与群では44.8%でしたが、統計学的な有意差はありませんでした。ベースライン(0週)時点でステロイドによる治療を受けていた患者さんのうち、52週時点でステロイドフリーでの臨床的寛解が得られた患者さんの割合は、ベドリズマブ皮下投与群で45.3%、プラセボ投与群18.2%でした。抗TNFα抗体製剤による治療歴がない患者さんのうち、52週時点で臨床的寛解が得られた患者さんの割合は、ベドリズマブ皮下投与群で48.6%、プラセボ投与群で42.9%でした。
ベドリズマブの皮下投与は6週時点から開始され、以後2週間ごとに最長50週まで行われ、52週時点で評価が行われました。ベドリズマブ皮下注射製剤の安全性については、クローン病患者さんを対象としたベドリズマブ点滴静注製剤で認められた既報の安全性プロファイルと同様でした。どちらの投与群でも、重篤な感染症、悪性腫瘍、および肝障害が認められたのは患者さんの5%以下でした。ベドリズマブ皮下投与群の2.5%で抗ベドリズマブ抗体が検出され、このうち約半数はベドリズマブの効果を減弱させる抗体(中和抗体)でした。ベドリズマブ皮下投与群の3%未満で注射部位反応が認められました。
ベドリズマブ皮下注射製剤は、世界の複数の主要規制当局に承認申請され、現在審査中です。
(IBDプラス編集部)
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