世界初、身体の外で腸皮組織の維持や培養が可能に
ニュース | 2017/10/12 更新
腸疾患の病態解析や再生医療、創薬研究の展開に期待
食物を消化・吸収する大腸や小腸。これらの腸管は、まだ母親のお腹の中にいる胎児期に、「腸前駆細胞」と呼ばれる細胞が腸幹細胞へと成長することで形成されます。この「腸前駆細胞」を作り出すことに成功したと、九州大学の研究グループが発表しました。
今回誘導に成功した胎児性の腸前駆細胞は、試験管内で本物そっくりな三次元の小型臓器、腸上皮オルガノイドへ成長します。そこで腸上皮オルガノイドを大腸炎モデルマウスへ移植すると、大腸の上皮組織や小腸の上皮組織を長期間に渡り、作り出すことが可能です。
これまで、腸の材料となる組織を研究に用いようとしても、材料となる組織を生きたまま取り出すことは患者の負担が大きく、また、既存の方法は複雑で難しいとされていました。
身体の外で腸の組織を維持・培養できるようになり、今後、腸上皮オルガノイドを用いた腸疾患の病態解析や再生医療、創薬研究への展開が期待されます。
(IBDプラス編集部)
IBDプラスからのお知らせ
治療の選択肢が広がる「治験」に参加してみませんか?IBD治験情報サービスへの無料登録はこちら会員限定の情報が手に入る、IBDプラスの会員になりませんか?
IBDプラス会員になるとこんな特典があります!
- 1. 最新のニュースやお得な情報が届く
- 2. 会員限定記事が読める
- 3. アンケート結果ダウンロード版がもらえる