潰瘍性大腸炎、異形成が見つかり大腸を全摘出。QOLを考えて直腸は残した方がいいですか?
医師と患者のお悩み相談 | 2026/7/31
40代女性の潰瘍性大腸炎で内視鏡で異形成が見つかり大腸を全摘出することになりました。
手術の内容としては腹腔鏡手術で全大腸を摘出し肛門はくりぬき回腸囊を、吻合するようです。一般的にリスクはありますが直腸を少し残しての方が生活の質はまだましなのでしょうか。それともリスクを考えて直腸まで全部とったほうが良いのでしょうか。宜しくお願いします。(40代/女性)
医師と患者のお悩み相談 | 2026/7/31
40代女性の潰瘍性大腸炎で内視鏡で異形成が見つかり大腸を全摘出することになりました。
手術の内容としては腹腔鏡手術で全大腸を摘出し肛門はくりぬき回腸囊を、吻合するようです。一般的にリスクはありますが直腸を少し残しての方が生活の質はまだましなのでしょうか。それともリスクを考えて直腸まで全部とったほうが良いのでしょうか。宜しくお願いします。(40代/女性)
A先生からの回答
消化器内科、他
A先生
現在行われている潰瘍性大腸炎の標準術式には、回腸嚢肛門吻合術(IAA; Ileoanal anastomosis)と回腸嚢肛門管吻合(IACA; Ileoanal canal anastomosis)の2つの方法あります。IAAとIACAの違いは“肛門管部分の直腸粘膜”を切除するかどうかです。
IAAは肛門ぎりぎりのところ(歯状線といわれる粘膜と皮膚との境界)から肛門を締めるための筋肉(肛門括約筋)を残して表面にある大腸の粘膜を全て取り除く方法です。IAAでは大腸の粘膜を完全に切除するので手術後は潰瘍性大腸炎による炎症やがん化の心配がなくなります。しかし、IACAに比べると、術後に漏便が起きやすいと思われます。
潰瘍性大腸炎の再燃リスクに重点を置くか、便失禁などの術後のQOLに重点を置くかは、個々の患者さんの考え方に左右されます。主治医に十分な説明を聞いた上でご自身で決断することになります。お大事にしてください。
B先生からの回答
消化器内科、他
B先生
お困りのことと思います。実際問題、ここの考え方は難しいものがあると思います。直腸を残した場合、潰瘍性大腸炎の元々の活動性にもよりますが、やはり炎症が持続してしまい、治療に難渋することもありますので、必ずしも生活の質がその方が高いとはいえません。しかし、大腸を全て摘除したとしても、回腸嚢炎を起こすこともありますので、絶対に炎症が起こらないとも言えません。人によるところが大変大きいので、他の患者さんの体験談が必ずしも参考になるわけでもなく、なかなか一般的にどちらがいい、とはいえない問題だと思います。
あくまでも双方のリスクをよく主治医とご相談いただき、よくお考え頂いて決定して頂ければと思います。お役に立てず申し訳ありません。お大事にされてください。
C先生からの回答
肝臓・胆のう・膵臓外科、消化器外科
C先生
ご相談ありがとうございます。消化器外科医です。確かに潰瘍性大腸炎の場合には、残存大腸の大腸炎や大腸がんの発生リスクはあります。一方でその少しの大腸を残すことで排便機能が変わることも事実です。正直大腸を完全切除しても排便機能が満足できる方と、残しても満足できない方がいます。 ここまでくると、本人の考え方によると思います。
完全切除した時に排便機能で悩むか、残した時に残存大腸炎、大腸がんとなった時に悩むか、どちらを選んでも間違いではないと考えます。
D先生からの回答
腎臓内科(人工透析)、他
D先生
直腸肛門があるとないとでは排便の管理が全く違うのではないかと思います。ただ、計画されているような手術の必要性があって提案をされているのかと思いますので、主治医とよく相談されてみてください。