【IBD白書2018】潰瘍性大腸炎・クローン病患者さんと「社会」 社会の理解は進みましたか?

白書20182025/2/7 更新

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近年、芸能人やスポーツ選手、政治家など有名人が炎症性腸疾患(IBD)であることを公表する機会も増え、IBDの認知や理解は以前に比べ高まりつつあるように思えます。IBD患者さん自身は、この状況をどう捉え、社会の一員として、どのように理解してほしい、どんな風に接してほしいと考えているのでしょうか。潰瘍性大腸炎の患者さん145人、クローン病の患者さん86人の計231人の声をまとめた「IBD白書2018」から、患者さんが感じる「社会・周囲の理解」について紹介します。

Q.1年前と比較して、病気を持つ人への周囲の対応は良くなりましたか?

1年前と比較して、病気を持つ人への周囲の対応は良くなりましたか?

「変わらない」が最も多く66.7%。「ある程度」「多いに」良くなっていると回答したのは27.3%でした。一方、「悪くなっている」と回答したのは6.1%でした。

潰瘍性大腸炎では「変わらない」が最も多く65.5%。「ある程度」「多いに」良くなっていると回答したのは28.3%でした。クローン病では、「変わらない」が最も多く68.6%。「ある程度」「多いに」良くなっていると回答したのは25.6%でした。

次項では、潰瘍性大腸炎・クローン病患者さんの患者さんが望む「周囲の対応」についてご紹介します。

Q.病気を持つ人と一緒に社会活動を行ううえで、健康な人はどのように対応したらよいでしょうか?

病気を持つ人と一緒に社会活動を行ううえで、健康な人はどのように対応したらよいでしょうか?

「病気であることには配慮してほしい」が最も多く44.2%、次いで「柔軟に対応してほしい」(26.8%)、「積極的に支援してほしい」(19.9%)でした。

潰瘍性大腸炎では「病気であることには配慮してほしい」が最も多く44.8%、次いで「柔軟に対応してほしい」(25.5%)、「積極的に支援してほしい」(22.1%)でした。クローン病では、「病気であることには配慮してほしい」が最も多く43.0%、次いで「柔軟に対応してほしい」(29.1%)、「積極的に支援してほしい」(16.3%)でした。

理解・配慮してほしい

  • 社会人として、会社に求められている責務を全うするのは当然の事なので、責任を特別軽くするような配慮は不要と思います。ただし、長時間拘束されるような業務は不向きなので、代わりにそうではない業務を増やすなどの配慮がいただけると助かります
  • あまり病気であることを強調したくない。辛いとき困ってるときは助けてくれたら有り難いなという感じ
  • 健康でいた人が、突然病気になることもあるし、突然死んでしまう人もいる。自分よりも大変な病気でも、必死に生きている人もたくさん見ている。だから、自分だけが大変だと思わない。でも、そっと手を差し伸べてくれる人がいたり、逆に人に優しくすることで、その人が喜んでくれたら嬉しい。支え合う思いやりが必要
  • その人の病気がどんなものかを知ることが大事でそこからしか的確な支援はうまれないと思うが、わざわざ病気について調べて理解してくれる人は少ないと思う。なので、そこまでは求めようとは思わないが「あ、この人なんかの病気だったな」くらいの認識でかまわないので、「それだったらコレはしんどいかもな」くらいの寄り添いがありがたい
  • しょせん、当事者になってみないとその人のつらさはわからないので、全てを理解してもらおうとは思っていません。ただ、最低限の配慮はしてもらえたらうれしいです
  • よほど困っていない限りは直接的な支援は求めていないし同情も求めていません。ただ、どうしても体調が優れないこともあるのでそういうときは嫌な顔をするのではなく体調が良くない、という理解を求めたい
  • アルバイトの際に病名を告げたら、シフトなどにも配慮してくれた事が嬉しかった。全てをわかってもらう事や辛さをわかってもらう事などは不可能だと思う。だが、配慮してくれようとする姿勢は、病気持ちとしては非常にありがたく、助かった
  • 患者としての立場で言えば、家族以外でも、例えば職場の上司や同僚などにはできるだけ病気の内容を知って欲しい。困っているとき甘えるわけではないが、急な休みの時など、仕事を代わりにやってくれたりするとやはり嬉しく思う
  • 過剰に支援をされても申し訳ない。そっと食べられないものを除去してもらえたり、休みがちな点も理解してもらえたら
  • 病状により千差万別ではあるが、ちょっと配慮して欲しい点(トイレなど)を理解してもらえれば、個人的には十分と感じる
  • 病気は「個性」というものではなく、実際に活動に支障をきたす。「具合が悪くなると周りに迷惑をかけてしまう」という遠慮で活動を制限することもあるので、それを補ってくれる態勢があれば、積極的に社会活動ができると思う

病気への理解・配慮は不要

  • 特別な配慮をされ過ぎるのもしんどい時があります。働きたいのに、辞めた方が良いんじゃないか?と言われたこともありました
  • 病気だと強くレッテルをはられるのも嫌だし人により配慮や支援が過ぎる人がいるので個性のひとつとして軽い気持ちで接してもらえればと思う
  • 変に気を遣わせてしまうのも申し訳ないので、普通に接してほしいです
  • いちいち説明するのが面倒くさい。トイレ長いのを不審に思われたりもする。電車でお腹痛くなり優先席座ってたら変な目で見られる
  • 経験ないことを他者は理解しない また、管理職クラスも業務に追われており、病状を気にする人などいない

「何ができるか」「何がつらいか」を丁寧に伝える必要も

「IBDのことをよく知らない人に自身の病気をどう伝えるか」について、多くの患者さんが悩んでいます。また、「理解・配慮してほしい」と考える患者さんのなかには「過剰な支援・配慮は申し訳ない」「あまり病気であることを強調したくない」と考える方も。単に病気のことを伝えるだけでなく、「何ができるか」「何がつらいか」を丁寧に伝える必要があるのかもしれません。

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