ウパダシチニブ、活動期潰瘍性大腸炎対象の第3相維持療法試験で主要評価項目を達成
ニュース | 2021/7/21
ウパダシチニブの使用で多くの患者さんが臨床的寛解を達成
アッヴィ合同会社は、第3相潰瘍性大腸炎維持療法試験において、ウパダシチニブを投与したグループ(15mgまたは30mg、1日1回投与)が1年(52週)時の主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づき判定)および全ての副次評価項目を達成したと発表しました。
ウパダシチニブは、免疫細胞がもつヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素の働きをブロックし、炎症の原因となる免疫物質「サイトカイン」が作られるのを抑えるJAK阻害薬。現在、成人のリウマチ、関節症性乾癬、活動性強直性脊椎炎の成人患者さんに対する治療薬として承認されています。また、潰瘍性大腸炎、クローン病、アトピー性皮膚炎、体軸性脊椎関節炎、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎を対象とする第3相試験が進行中です。
今回の試験は、中等症~重症の潰瘍性大腸炎を有し、8週間、ウパダシチニブ(45mg)の投与を1日1回受ける「導入療法試験期間」の後に臨床的改善を達成した成人患者さんを対象に行われました。
今回、患者さんたちは、ウパダシチニブ15mg投与するグループ、ウパダシチニブ30mg投与するグループ、プラセボを投与するグループに再度無作為に振り分けられ、さらに52週間の投与を受けました。その結果、ウパダシチニブの投与を受けたグループはプラセボのグループと比較して、統計学的に顕著に多くの患者さんが臨床的寛解(52週時)を達成したということです。
今回の試験の間にステロイド治療を受けずに寛解(副腎皮質ステロイドフリー寛解)を達成した患者さんの割合は、ウパダシチニブ15mg投与したグループで57%、ウパダシチニブ30mg投与したグループで68%だったのに対し、プラセボ群では22%だったそうです。
安全性に関しても新たなリスクは認められず
安全性に関しても、潰瘍性大腸炎に対する第3相導入療法試験や、さまざまな適応症を対象とした先行試験で認められた安全性プロファイルと一致しており、新たなリスクは認められなかったとしています。
同社は「今回の結果は、中等症~重症の潰瘍性大腸炎患者さんにとってウパダシチニブが治療選択肢となりうることを示しており、今後の開発の後押しとなるもの」と、述べており、試験結果の詳細は、今後、学会や査読誌で公表する予定だとしています。
(IBDプラス編集部)
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