アロフィセル、非活動期/軽症の活動期クローン病の複雑痔瘻治療薬として承認取得
ニュース | 2021/9/30
クローン病患者さんのQOLに多くの悪影響を及ぼす複雑痔瘻
武田薬品工業株式会社は9月27日、非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療製品である「アロフィセル(R)注(一般名:ダルバドストロセル[開発コード:Cx601]以下、アロフィセル)」が承認されたことを発表しました。
クローン病は複雑痔瘻を発症することが多く、これにより強い痛みや膿瘍感染症、便失禁などを引き起こすことがあります。同社が欧州クローン病・潰瘍性大腸炎協会連合と共同で実施した調査では、複雑痔瘻が患者さんのQOLに多くの悪影響を及ぼすと報告されています。
アロフィセルは、健康成人の脂肪組織から抽出して培養・増殖させた同種異系間葉系幹細胞(eASC)の懸濁液で、少なくとも1つの既存治療薬による治療を行っても効果が不十分な非活動期または軽症の活動期クローン病患者さんにおける複雑痔瘻の治療製品です。
欧州では2009年に欧州委員会で希少疾病用薬として指定され、2018年3月に非活動期または軽症の活動期の成人のクローン病患者さんにおいて、既存治療薬または生物学的製剤のいずれかの治療を実施したにもかかわらず効果不十分な複雑痔瘻への治療製品として承認を取得しました。また、米国では2017年にFDAより希少疾病用薬として指定され、2019年にクローン病成人患者における複雑痔瘻治療製品として、再生医療先端治療(RMAT)指定制度の指定を受けました。
瘻孔の処置後に投与する「希少疾病用再生医療等製品」
日本においては、2019年3月13日付で、厚生労働省より、予定される効能、効果又は性能をクローン病患者における肛門周囲複雑瘻孔として、希少疾病用再生医療等製品に指定されました。
同剤の用法及び用量は通常、成人にはヒト間葉系幹細胞として、1回量120×106個(4バイアル[24mL]全量)を、最大で原発口2つまで、二次口3つまでの瘻孔に対して、掻爬などの処置を行った後に投与します。
同社の日本開発センター所長の廣田直美氏は、「今回の承認により、従来の治療や生物学的製剤による治療を行っても効果が不十分な患者さんに対し、新たな治療選択肢を提供できる」と述べています。
(IBDプラス編集部)
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