クローン病に対する新たな細胞治療の治験がスタート

ニュース2018/1/12

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免疫を調整する作用がある「間葉系幹細胞」を製剤化

自分の細胞や他人の細胞を使って病気を治療する「細胞治療」。この治療方法で使われる細胞として有望視されているのが「間葉系幹細胞(MSC)」です。特に注目されているのが、その免疫を調整する作用。世界中でMSCによる細胞治療についての臨床研究が進められています。日本では、骨髄から採取したMSCが、白血病などで造血幹細胞移植を行った後の重い副作用(急性移植片対宿主病)に対する治療ですでに実用化されています。

北海道大学病院と兵庫医科大学病院は2017年12月12日、クローン病に対する羊膜MSCによる医師主導治験を開始したことを発表しました。羊膜MSCとは、これまで医療廃棄物とされてきた妊婦の羊膜から作製されるMSCのこと。羊膜MSCには、すでに実用化されている骨髄MSCと同様に、異なる系列の細胞に分化する能力や免疫を調整する作用があることもわかっています。両大学の研究グループは、この羊膜MSCの製剤化に世界で初めて成功。ついに実用化を目指し、クローン病と急性移植片対宿主病を対象として、治験を開始するに至りました。

今回始まった治験は、少ない数の症状の軽い患者を対象に、治療の効果や思わぬ副作用が現れないかどうかなどを確かめる試験で、2019年度に終了予定。実用化までには、さらに症例を増やして治療の効果を検討する試験を数年かけて行う必要がありますが、研究グループは早期の実用化を目指すとしています。

(IBDプラス編集部)

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