【IBD白書2018】潰瘍性大腸炎・クローン病患者さんの「“トイレ”事情」 どんな時心配?対策法は?
白書2018 | 2025/2/7 更新
急にお腹が痛くなったときに限ってトイレが見つからない、トイレのことが気になって外出をためらってしまう……。潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)患者さんにとって、「トイレ問題」は大きな悩みの種です。今回は、潰瘍性大腸炎の患者さん145人、クローン病の患者さん86人の計231人の声をまとめた「IBD白書2018」から、トイレに関する失敗談やどのような対策を施しているのか、患者さんの声をご紹介します。
Q.どんな時、トイレが心配になりますか?
「旅行」が最も多く72.3%、次いで「アウトドアスポーツやレジャー」(48.9%)、「映画・コンサート」「学校・職場」(46.8%)となりました。その他では「通勤・通学」「トイレが少ないところ」などが挙がりました。
潰瘍性大腸炎では、 「旅行」が最も多く71.0%、次いで「学校・職場」(48.3%)、「映画・コンサート」(46.9%)。クローン病では、「旅行」が最も多く74.4%、次いで「アウトドアスポーツやレジャー」(54.7%)、「映画・コンサート」(46.5%)でした。
トイレの失敗エピソードは?
トイレに関する失敗経験について、患者さんから以下のエピソードが寄せられました。
日常で
- おならのつもりが、出てしまう。我慢ができないので不意の気分悪さで、出てしまう
- 便座に座った瞬間に便が出てしまい、それまでの「我慢できる時間」がアテにならなくなった
- 脱ぎにくい服装の時に腹痛がきて失敗
外出・旅行時に
- ウォシュレット無しのトイレがある施設に行った場合は怖さがある
- 駅で間に合わずに漏らしたことがある。駅のトイレでは、トイレットペーパーが最初から汚いところがあり、自分のものを携帯するようにしている
- 駅の改札内にしかトイレがないのに、改札を出てしまったことがあります
- 買い物に行ったが、頻繁にトイレに行くので店舗内が見られず、子どももひとりにできない年齢だったので、トイレにつき合わせてしまった
- 渋滞中に腹痛になり死ぬ思いで我慢した。間に合わずコンビニのトイレを借りて下着を購入した
- バス停で寒くてお腹が痛くなり、慌てて家に引き返したが玄関で間に合わず漏らしてしまった
- 電車で急にお腹が痛くなり、そんな時に限って電車がトラブルで止まって生きた心地がしなかった
学校・職場で
- 仕事中、断りを入れトイレにこもっていたらかなり時間が経っていたらしく、先輩が心配してトイレまで様子を見に来たときは恥ずかしかったです
- 終業式の最中に下痢の腹痛に襲われその時は耐えられたものの、下校途中に再度下痢に襲われ近くのスーパーに行くも間に合わなかった。そのうえ、スーパーのトイレットペーパーは切れており親が迎えに来るまで帰れなかった
次項では、「万が一」が起こらないための、患者さんの「トイレ対策」をご紹介します。
Q.トイレが心配なときに、どんな対策をとっていますか?
“万が一”を防ぐための「トイレ対策」として、患者さんから以下のエピソードが寄せられました。
日常全般
- ナプキンをして、オムツを着けて、着替えを複数枚持ち、オムツ用のビニール袋も持って出掛けてます
- 早めに対処すること 水に流せるトイレットペーパーを用意しておく
- トイレがあれば便意が無くてもとりあえず行く
- 大丈夫と言い聞かせる
外出・旅行時
- 事前にトイレの場所を調べる。食事をとらない
- 乗り物の長時間の利用をさける
- 症状がひどい時は、トイレに困るような所には出掛けない。出掛けても、ショッピングモールなど、すぐにトイレに行ける場所にしか行かない
- 新幹線等の切符を予め買っておける場合には、窓口でトイレが一番近い座席を確保・予約する
- 出せる時に出しておく。通勤途中や移動しながら常にトイレの場所チェック
- 何かイベントがある時は、1週間前からさらに食事を制限して、体調を整えるようにする。また、常にナプキンを付けている
- 電車は早めに途中下車するようにしています
- なるべく食べない。自分が運転する。自分のタイミングで休憩できるから
- 出せる時に出しておく。通勤途中や移動しながら常にトイレの場所チェック
- 外出時は大人用おむつを履くと、精神的に楽になって腹痛の回数が減った気がします
事前の情報収集やナプキン・オムツの使用などで、対策をとっているほか、「食べない」という意見も。自由にトイレに行けなくなる外出は、潰瘍性大腸炎・クローン病患者さんにとって大きな悩みのひとつであることがわかりました。
しっかりとした事前準備や情報収集でストレスをためないように
食事と並んで、毎日の悩みであるトイレのこと。「IBD白書」でも、多くの患者さんが悩んでいることが分かりました。しかしながら、多くの患者さんがそれぞれのやり方で対策し、仕事や学校、そして趣味などでアクティブに生活していることもわかりました。今回ご紹介した患者さんの対策術を参考に、ストレスをためない毎日をお過ごしください。