特定の腸内細菌が脳動脈瘤破裂に関与している可能性

ニュース2021/11/12

食中毒などを引き起こす「カンピロバクター属」をくも膜下出血患者さんの腸内で多く検出

大阪大学大学院医学系研究科の高垣匡寿助教、貴島晴彦教授(脳神経外科学)らの研究グループは、脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血を発症した患者の腸内細菌叢を調査し、その特徴を明らかにしたと発表しました。

腸内細菌叢は全身のいろいろな疾患と関係していることが知られており、脳神経疾患との関係も報告されていました。その中で、脳動脈瘤と腸内細菌叢との関係性も報告されていましたが動物実験などでの報告しかなく、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血患者さんの腸内細菌の特徴は、明らかにされていませんでした。

そこで研究グループは、くも膜下出血患者さんの腸内細菌叢を調査し、特徴的な複数の細菌株を突き止めました。

さらに、他の疾患を対象とした研究では検出されていない食中毒などを引き起こす「カンピロバクター属」に注目し、検査を実施しました。その結果、カンピロバクター属がくも膜下出血患者さんに多く検出されることが確認されました。さらに、その中でも「C. ureolyticus」という腸内細菌の検出率が高いことを明らかにしました。

将来的に、腸内細菌を病気の予測や予防に使える可能性

今回の研究により、従来は年齢や性別、動脈瘤の大きさなどでしか予測できなかった「脳動脈瘤の破裂率」に腸内細菌叢の情報を加えることで、より高い精度で予測することが可能になると考えられます。研究グループは、「これまでは外科的治療しかなかった未破裂脳動脈瘤に対して、腸内細菌叢を操作し破裂予防を行うという新しい治療法につながるものと考えている」と、述べています。

さらに他の疾患での研究が進み、腸内細菌でIBDの悪化を予測したり、さらには腸内細菌のコントロールでIBDの病勢を抑えたりできるようになればいいですよね。今後も腸内細菌に関する研究を、幅広くみなさんにお伝えしていきたいと思います。

(IBDプラス編集部)

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