クローン病の複雑痔瘻に対し「アロフィセル」を使用した手術、北海道初の実施
ニュース | 2022/10/18
アロフィセルに含まれる幹細胞が体内で活性化して免疫反応を抑え、瘻孔の治癒を促進
札幌医科大学は、2021年9月に製造販売承認を取得した「アロフィセル(一般名:ダルバドストロセル)」を使用した道内1例目の手術を、同大附属病院において10月7日に実施したことを発表しました。
アロフィセルは、非活動期または軽症の活動期クローン病患者さんにおける複雑痔瘻を治療する製品です。健康成人の皮下脂肪組織から分離した幹細胞を培養して作られた「再生医療等製品」に該当します。
アロフィセルを各瘻孔の瘻管壁内に注射すると、同剤に含まれる幹細胞が体内で活性化し、免疫細胞の増殖を阻害したり、免疫を抑制する「制御性T細胞」を増殖させて免疫反応を抑えます。その結果、慢性的な炎症が鎮まり、瘻孔周囲の組織の治癒を促します。
クローン病に伴う複雑痔瘻の既存治療で効果不十分な人に対する新たな治療選択肢
今回手術を行った患者さんはクローン病に伴う複雑痔瘻があり、同大消化器内科学講座の仲瀬裕志教授からアロフィセルによる手術適応について、消化器・総合、乳腺内分泌外科学講座へ紹介され、同講座の竹政伊知朗教授が手術を担当したということです。
竹政教授は「クローン病に伴う複雑痔瘻の既存治療で効果不十分な患者さんに対する新たな治療選択肢として、北海道の患者さんに提供することができるようになる」と述べました。
同院では今後、適応のある症例に対してアロフィセルを使用した手術を進めていくとしています。
(IBDプラス編集部)
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