インフリキシマブを中止後、再燃は?合併症は?

ニュース2018/2/9

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ヨーロッパの研究機関が研究結果を報告

レミケード(インフリキシマブ)など生物学的製剤を使って寛解状態を維持する治療をしている場合、寛解状態が長く続いていれば、薬の投与をやめることができるのでしょうか。フランス、ベルギー、スイス、オランダの研究施設で構成される炎症性腸疾患治療研究グループ(GETAID)は、クローン病でインフリキシマブによる薬物療法を中止した患者の、その後の状態を追跡した研究結果を発表しました。

研究では、115例のクローン病患者を対象にしました。いずれも寛解状態で安定しており、寛解後の維持療法として代謝拮抗薬で治療を続けながらインフリキシマブを中止した患者です。インフリキシマブを中止した後に、手術をしたり、肛門周囲の複雑な病変の治療や、生物学的製剤での治療を再開するまでの経過を追いました。最終的なデータの解析ができたのは、そのうち102例。追跡を行った期間は平均7年でした。

治療を再開することなく経過したのは2割

その結果、患者の21%は7年を経過しても生物学的製剤による治療の再開も、重い合併症もありませんでした。しかし、再燃のためにインフリキシマブによる治療を再開した患者では、30.1%が再開から6年以内に治療がうまくいかなくなっていました。インフリキシマブを中止して7年後までに重い合併症を経験した患者は18.5%でしたが、段階的に薬を減らす方法を採用した患者では70.2%が、治療がうまくいかなくなることなく経過しました。

合併症を生じるリスクと考えられたのが、「インフリキシマブを中止する時点で胃など上部消化管に病変がある」、「血球数が5.0×109/L以上」、「ヘモグロビンが12.5g/dL以下」の3点でした。これらのうち、2つ以上に該当していた患者では、40%以上が合併症を生じていました。

(IBDプラス編集部)

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