IBD患者は帯状疱疹になりやすい?
ニュース | 2018/2/23
薬物治療中は特に注意
疲れやストレスで免疫が低下したときに、身体に潜んでいたウイルスが再活性化して発症することがある「帯状疱疹」。年配の方の病気というイメージがありますが、炎症性腸疾患(IBD)患者の場合は、帯状疱疹ウイルスに感染しやすいといわれています。アメリカのペンシルバニア大学ペレルマン医学大学院の研究グループは、IBD患者が帯状疱疹ウイルスにどのくらい感染しやすく発症しやすいのか、また、感染や発症のしやすさにIBDの治療が影響するのかを調べた研究結果を報告しました。
研究は、これまでに行われた2つの研究結果をもとに分析しました。その結果、IBDでない人に比べ、潰瘍性大腸炎患者・クローン病患者とも、帯状疱疹ウイルスに感染するリスクが高いことが明らかになりました。メサラジンなどの5-ASA製剤で治療を行っているIBD患者の場合は、感染リスクはIBDでない人の1.5~1.8倍でした。
ウイルス感染だけでなく、発症リスクも高齢者より高い
また、5-ASA製剤での治療と比べ、イムランなどのチオプリン製剤で治療している患者や、チオプリン製剤に加えレミケードなど抗TNF-α抗体も使って治療している患者では、帯状疱疹ウイルスへの感染リスクが、5-ASA製剤よりもさらに1.4~1.6倍高くなっていました。ただし、抗TNF-α抗体のみで治療している患者の感染リスクは、5-ASA製剤で治療中の患者と同程度という結果でした。また、ウイルスに感染しているIBD患者が帯状疱疹を発症するリスクは、どの薬剤で治療している場合でも、IBDでない60歳以上の高齢者よりも高くなることがわかりました。
研究グループは、新しい帯状疱疹ワクチンが出てきた場合には、IBD患者にも有効かどうかを確認する必要があるとしています。
(IBDプラス編集部)
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