炎症の回復期に出現し、組織修復を促す新しい免疫細胞を発見

ニュース2018/10/12

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障害部位に集積し、炎症抑制や組織修復に寄与

東京薬科大学生命科学部免疫制御学研究室の池田直輝大学院生(現北海道大学遺伝子病制御研究所助教)、浅野謙一准教授、田中正人教授の研究グループは、理化学研究所、兵庫医科大学、熊本大学と共同で、炎症や組織傷害の回復期に出現する新しい単球細胞を発見したと発表しました。

この単球細胞は、健常時や炎症・組織傷害の急性期にはほとんど存在しませんが、回復期になると骨髄で盛んに作られ、血液中に送り出されます。この細胞が組織傷害部位に集積すると、炎症抑制や組織修復に関わるタンパク分子を産生し、傷ついた組織の修復に寄与するといいます。

炎症性疾患や組織傷害の新たな治療標的として期待

研究グループは、炎症収束・組織修復を担うマクロファージに発現するYm1というタンパク分子に着目。Ym1を発現する細胞を蛍光標識したYm1-Venusマウスを作製し、解析を行いました。まず、マウスに炎症状態を作り出すリポ多糖(LPS)を投与したところ、24時間までは末梢血中のYm1-Venus単球の数はそれほど変わりませんでしたが、回復期にあたる投与後48時間では、爆発的に増加することが判明。腸管局所の炎症モデルであるデキストラン硫酸(DSS)誘導大腸炎モデルマウスでも同様に、腸炎の回復が始まるDSS投与後8日目以降にYm1-Venus単球が急増しました。さらに、この単球細胞を消去したマウスでは、腸炎の回復が遅延しました。

今回の研究により、Ym1陽性単球がもつ炎症収束や組織修復に担う役割の重要性が証明されました。今後、Ym1陽性単球を効率よく増やす方法が発見できれば、臓器の修復を促進する治療薬の開発に繋がると考えられ、期待が寄せられます。

(IBDプラス編集部)

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