慢性疾患の炎症改善が期待できる新薬候補「OCH-NCNP1」のグローバルライセンス契約を締結

ニュース2019/9/6 更新

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EAファーマと国立精神・神経医療研究センターが共同開発

EAファーマ株式会社と国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は、NCNPが開発中の新薬候補OCH-NCNP1(以下OCH)について、全世界での全適応症における独占的な開発、製造、販売に関するライセンス契約を締結したと発表しました。

OCHは、NCNPの山村隆特任研究部長らのグループが、海綿に寄生する細菌が産生する糖脂質「α-ガラクトシルセラミド」をもとに、化学的な処理をして性質を変化させ作った新薬候補です。近年では、OCHやα-ガラクトシルセラミドと似た物質がヒトの腸内細菌から産生され、これが免疫細胞の1種であるナチュラルキラーT(NKT)細胞のはたらきを助けていることが明らかになっています。具体的には、NKT細胞が免疫の恒常性維持に重要な、「Th1サイトカイン」と「Th2サイトカイン」という物質を出すのを助けています。

OCHはα-ガラクトシルセラミドに比べ、Th1サイトカインのはたらきを抑えるTh2サイトカインを、免疫細胞により多く出させます。そのためOCHは、Th1サイトカインの過剰な作用が発症原因となる慢性疾患の炎症を抑える薬になると期待されています。

クローン病の医師主導治験も進行中

現在、NCNPではOCHに関し、多発性硬化症の患者さんを対象とする医師主導治験(前期第2相試験)が計画されています。また、慶應義塾大学病院では、NCNPとの共同研究により、OCHに関して2016年よりクローン病の患者さんを対象とする医師主導治験(第1/2相試験)が進められています。

EAファーマとNCNPは、「OCHの開発を連携して推進し、難病で苦しむ患者様の治療およびQOL向上に貢献してまいります」と、述べています。

(IBDプラス編集部)

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