寛解導入できない潰瘍性大腸炎の夫…手術を回避する方法はないでしょうか?

医師と患者のお悩み相談2021/12/20

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以前2回、潰瘍性大腸炎の夫のことでこちらで質問させていただきました。
現在IBD専門外来のある総合病院で診ていただいています。
2019年に潰瘍性大腸炎と診断。
アサコール、リアルダ不耐。
今年1月再燃
ステロイドで血便はおさまるものの、下痢は続く。腹痛はなく甘くみていましたが、いよいよ5月末に専門医のいるところに転院。
イムランも吐き気や食欲不振で合わず、体重減少が進み今夏37日間入院。入院時の検査では全大腸型で思った以上の潰瘍ありとのことでした。
ステロイド70mg〜や絶食、中心静脈栄養。シンポニーを開始。

現在退院して1か月半。
ステロイド服用は9月中旬に終了。
食欲不振が続き、また無気力、悲観的であったため、9月初旬からスルピリド服用。
精神科にも行き9月中旬から抗うつ剤(トリンテリックス)を服用。

本日シンポニー4回目を打とうかと言うところでしたが、未だガスや下痢でトイレの回数が1日10回くらいと アルブミン 先週2.7→本日2.5。
CRP 先週1.3→本日2.8

コロナ禍で面会も出来ず、精神面での不安がありますが、来週再入院することになりました。
中心静脈栄養で栄養と体力の立て直しを図りつつ、エンタイビオかステラーラへの切り替えを検討されています。これで効かないと、大腸摘出のようです。

エンタイビオとステラーラの選択にあたり、メリットデメリットはありますか?
治療法は一般的な流れと思っておりますが、他に何か良い寛解導入法はありますか?
手術回避は難しいでしょうか?

本人の意向次第では、エンタイビオとステラーラを飛ばして大腸摘出で早期解決も可能とのことですが、それはどうでしょうか?
長くなりましたがよろしくお願いいたします。
(50代/男性)

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A先生からの回答
消化器内科

A先生

ご心配だと思います。エンタイビオとステラーラの選択にあたり、メリットデメリットは特にありません。まず、シンポニーは遅れて効くことがありますので、可能であれば、あと1~2回は継続した方が良いと思います。イムラン以外の免疫抑制剤でタクロリムスがあります。こちらは吐き気や食欲不振は少ないです。寛解導入には白血球除去療法もあります。こちらは中心静脈栄養であれば、簡単に導入できます。副作用もほとんどありませんので、良いと思います。ただ、白血球除去療法は寛解維持できる治療法ではありませんので、シンポニーに加える形になるでしょう。大腸全摘はこれらの治療を試してうまく行かなければ受けるでも良いと思います。

質問者さん

早速ありがとうございます。
先週の診察では、CRPが退院時よりよかったので、あと1回はシンポニー継続と先生もおっしゃっていました。
が、4か月程もトイレの側から離れられない生活にかなり心身疲れていること。体重も元々79キロ(身長165センチ)が入院時60キロ、退院時53キロ、現在48キロとなり、ほとんど寝て過ごす日々。炎症値の悪化。
これらのことで、もうしばらく様子をみるより、少しでも新しい可能性にかけて生活が上向きになれたら、という患者側の思いを汲んでプラン変更を選択肢として提案してくださったのだと思います。
コロナ禍で、私と医師との面談はもう機会が無さそうです。夫は決断力思考力が低下していると言っていて、kazu先生がアドバイスしてくださった治療法についての質問や相談をどれだけできるかわかりません。
私は新しい治療薬への変更もOKし、本人が決断したら大腸摘出もOKすると思うとお伝えしましたが、もう少し色々治療法について伺うべきでしょうか。
兄弟はセカンドオピニオンもそれとなく勧めてきますが、潰瘍性大腸炎は治療がオーダーメイドと言われるほど個々により違うそうなので、これまで経過を診てきてくださった医師をこの時点で変えるのは不安があります。
来火曜日再入院で内視鏡の後、来週中に新薬とのことです。
エンタイビオやステラーラの効果発現はどのくらいでしょうか。
また、タクロリムスや白血球除去療法の効果発現はどのくらいでしょうか。

A先生

エンタイビオやステラーラの効果発現は1~2回の投与が必要ですので、1~2か月かかります。タクロリムスや白血球除去療法の効果発現はそれぞれ1~2週間と1週間程度です。私は炎症性腸疾患を専門にしていますが、お話しの状況からは、貧血がなければ白血球除去療法を試します。白血球除去療法は静脈路の確保ができれば、副作用が特になく、週2回1回2時間程度の拘束で済みます。白血球除去療法が難しければ、タクロリムスです。こちらは食事の影響を受けますので、入院中の方が使い易いです。もちろん副作用はありますが、頻度は高くありません。両方の治療の欠点は、タクロリムスは半年間しか使えない点で、白血球除去療法は寛解導入にしか使えない点です。タクロリムスや白血球除去療法の提案ができなければ、セカンドオピニオンを求めます。残念ながら、専門医としては経験が足りません。

質問者さん

ありがとうございます。少し貧血気味のようです。
今年に入ってからこれまでの短期間で、大腸全摘まで話が出るほどになり、気持ちがついていけていないところもあります。
5-ASA製剤、イムラン、ステロイド、シンポニー、どれもこれも効かない(もしくは合わない)ということはよくあるのでしょうか。まれでしょうか。腹痛はないのに下痢だけが回数が多いということも。 これを難治性というのですか?
夏の入院前に鍼治療を受けた際、非常に身体の状態が悪く、効く薬も効かないかもと言われたこともあります。
タクロリムス、白血球成分除去療法については先生に伺ってみようと思います。

A先生

残念ながら、5-ASA製剤、イムラン、ステロイド、シンポニーが効かない(もしくは合わない)ということはまれではありませんが、あります。腹痛はないのに下痢だけが回数が多いということもあります。難治性になります。少し貧血気味であれば、副作用の少ない白血球成分除去療法が良いと思います。何とか寛解にして、維持は後で考えるで良いと思います。早くステロイドは減量したいところです。

質問者さん

色々ありがとうございます。
主人が大腸全摘も前向きに、、、とお伝えしたことと、難治性のようなので手術を視野に入れたお話が出たのだと思います。
血球成分除去療法、タクロリムスなどについて主治医にお話しを伺ってみます。こちらの希望とあらば取り入れてくださるか、出来ないのであればその理由をきちんとしてくださる先生だと思うのですが、、、。
今は入院も決定していますし、本来なら打つはずのシンポニーを数日保留にして新薬に切り替えようというところです。(もしくは先生のご助言通りやはりシンポニーでとなるかもしれませんが)
心身が安定していない時に、色々考えたり新しい病院に行くことは主人にとっては判断が難しいことと思いますが、もしも親族の意向も汲んでセカンドオピニオンを受けるとしたら、これからどのタイミングが良いのでしょうか。
先生への返信はこれで最後となりますが、よろしくご助言お願いいたします。
なお、ステロイドの服用は9月中旬に終了しています。

A先生

エンタイビオでの治療効果が思わしくなく、主治医に血球成分除去療法、タクロリムス等を行わずに大腸全摘術を勧められる場合は、セカンドオピニオンを受けた方が良いと思います。

B先生からの回答
消化器内科、他

B先生

多くの方が大腸温存を望みますが、本人が大腸全摘を望んでいるのであれば、否定はされません。しかし術後に下痢は続きますので、個人的にはもう少し保存的治療を検討されるのが妥当と考えます。
エンタイビオとステラーラはシンポニーと異なった作用機序を持つ生物製剤ですので、シンポニーが無効でも、エンタイビオとステラーラが奏功する可能性はあります。しかし効果の予測は困難です。
他にはJAK阻害剤であるゼルヤンツがあります。
どのような医療機関か不明ですが、設備があるならば、血球成分除去療法(LCAP、GCAP)なども選択可能です。
お大事にして下さい。

質問者さん

ありがとうございます。
大腸全摘手術は、術後の生活を詳しく知らない段階で、現状が辛く早期決着のために受けてもよいのかも、と主治医にお伝えしたことがあります。そのため早めに手術の話が出ただけなのか、何らかの理由があって成分除去療法が選択肢にないのかが不明です。今は教えて頂いた成分除去療法なども可能性があるならやってみてできれば大腸温存したいかなと言っているので、主治医に伺ってみようと思います。うつ傾向なので決断を迫られるのはなかなか厳しいタイミングです。
やはり元々人間の身体に備わっているものを無くすのは、よほどのことがなければ避けた方が良いのかと考えますが、

・成分除去療法、ステラーラ、エンタイビオなどで寛解に持ち込めた場合でも、再燃が短いスパンで繰り返すのであれば、早めの手術の方が、大腸ガンのリスク、再燃がいつ起きるかの不安、予測できない長期入院などから逃れられるという面はメリットと思います。どのように考えればよいでしょうか。(自営業のため自身が動けなければ収入に直結し、生活にも即影響します。)
何の治療が効きそうか、次の再燃の可能性や時期については、やはり「やってみないとわからない」ということになりますか

・シンポニーのままでも、薬を切り替えても、1、2か月は効き目待ちで、その間今の下痢頻回、食欲不振の生活は変わらないでしょうか。成分除去療法をやって貰えたらもう少し短期間で改善する場合はありますか?

・入院中の中心栄養静脈で少しでも体力体重の戻りは期待できますか?1日何カロリーまで入れることができるのでしょうか。

・昨日久しぶりに、今日も先程少し下血がありました。CRP値でも示されたように、炎症がぶり返しているようです。また絶食となる可能性もあるでしょうか。

よろしくお願いします。

B先生

寛解導入が最低条件ですが、維持療法の匙加減も主治医の診療技量に大きく左右されます。あなたの記載内容で、どの位の短期間で再燃するかを予測することは困難です。

あなたの医療機関では、血球成分除去療法(LCAP、GCAP)が実施可能なのでしょうか?可能なのであれば、まずは主治医に効果と治療スケジュールの説明を受けましょう。

一般的に大腸全摘の明確な基準は存在しないのですが、相対的待機手術では以下のような点が検討項目になります。

1)難治性:半年以上緩解できない、あるいは1〜2年に1回入退院を繰り返し社会生活がおくることが困難である
2)局所合併症: 狭窄や瘻孔ができてなかなか改善しない
3)ステロイドの総投与量が1万mgを超えている
4)治療の副作用が臨床的な問題点である:骨粗鬆症・大腿骨頭壊死・白内障・緑内障・難聴・ステロイド筋症・ステロイド神経症・うつなどがあります
5)潰瘍性大腸炎を発症してから10年経過し、かつ、頻繁に再燃と寛解を繰り返している

また、潰瘍性大腸炎に関連した大腸がんの場合は、潰瘍性大腸炎が重症化した場合と同様に、大腸全摘を行う必要があります。
寛解導入困難あるいは短期再燃を繰り返すのであれば、あなたの場合には、相対的大腸全摘の適応にはなります。
手術を希望されるのであれば、執刀医と十分に話し合い、手術同意書に署名すべきと考えます。お大事にして下さい。

質問者さん

色々ありがとうございました。先日入院いたしました。
主人が把握できていなかっただけで、前回の入院でシクロスポリンは既にやっているとのこと。今回の入院中に効果のほどは弱いかもしれないが血球成分除去方法もやってみてくださる、とのことです。次のステラーラまたはエンタイビオの効果に期待したいですが、このままですと下痢頻回で日常的な生活にも支障があり、鬱病との兼ね合いもあるので、いずれ大腸全摘も検討せねばならないかもしれません。
診察を終えてから、あれも聞けばよかった、などと色々疑問や心配ごとが浮かんできて、こちらで先生のご意見を伺え、大変助かりました。これからの治療や手術を患者自身も家族も納得して受け入れていけるようにしたいと思います。ありがとうございました。

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