クローン病です。原因不明の湿疹が、処方された軟膏を塗っても治らず困っています…

医師と患者のお悩み相談2025/10/3

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クローン病で処方はペンタサ、ビオスリー配合錠、2週に1回のヒュミラです。今年の春先から膝と腕内側に湿疹(痛み・かゆみなし)が現れ、市販の軟膏を塗ってましたが改善されず皮膚科を受診。問診票にクローン病と記載するも触れられずボディーソープの変更をすすめられ、軟膏を処方されましたが改善されず、現在はふくらはぎ、太ももにも広がり困っております。主治医にも相談しましたが処方の変更が必要になる場合があり、一旦様子見と言われていますが、改善策はありますでしょうか?よろしくお願いいたします。
(マスターさん クローン病歴11年)

三枝先生

IBD連携専門医
三枝先生からの回答

湿疹の原因が何かにより対応、治療が変わります。湿疹を診察しないとわからないのが前提で返答します。皮膚科の先生はおそらく接触性皮膚炎や乾燥肌など一般的な皮膚トラブルと診断し、それに応じた治療を行った印象です。しかし、改善がないようですね。

私も炎症性腸疾患の診療の際に、よく患者さんから皮膚の相談をされます。その際、処方している薬の副作用の薬疹の可能性を考えて、治療を見直すことがあります。薬疹はおなかや胸の体幹部に広く湿疹が起きます。また、炎症性腸疾患合併症に伴う皮膚炎に「結節性紅斑」「壊疽性膿皮症」があります。その際の湿疹は痛みを伴ったり、潰瘍ができたりします。これらはIBD専門医であれば気づくと思います。私は炎症性腸疾患の患者さんで皮膚炎がなかなか治らない場合は、免疫疾患に詳しい皮膚科の先生に紹介状を書きます。また、院内に皮膚科の先生がいれば連絡を取り、診療してもらいます。一度、炎症性腸疾患の主治医の先生に皮膚科の先生を紹介してもらうのはいかがでしょうか。

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三枝陽一先生
淵野辺総合病院 内科 内視鏡副室長
三枝陽一先生
2001年 北里大学医学部卒業。北里大学病院 内科研修医
2003年 大和市立病院出向 内科後期研修医
2004年 北里大学東病院 消化器内科後期研修医、北里大学院入学
2008年 北里大学院卒業、学位取得。相模野病院出向
2018年 相模野病院 消化器センター部長
2018年 相模原保健所 疾病対策課
2025年 深川ギャザリアクリニック 副院長
2025年 淵野辺総合病院 内科 内視鏡副室長

<学会資格>
日本炎症性腸疾患学会 IBD連携専門医
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
難病指定医

【三枝先生のIBD診療】
淵野辺総合病院ホームページ
お問い合わせ:042-754-2222(代表)/予約センター:042-754-3271

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