非腫瘍性のポリープが複数あったと医師に言われましたが大丈夫でしょうか?

医師と患者のお悩み相談2025/10/21

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子どもが全大腸炎型の潰瘍性大腸炎です。発症から1年の間にアザチオプリン→ウステキヌマブ→ベドリズマブと薬剤が変更となり、約2年間ベドリズマブの投与を続けています。5-ASA製剤はずっと飲んでいます。毎年1回、内視鏡検査をすると、非腫瘍性のポリープが複数あったと先生から説明があります。ベドリズマブになってから腹痛や血便もなく、寛解だと言われていますが、ポリープができるのは良くないことなのでしょうか?
(はなさん お子さんが潰瘍性大腸炎歴4年)

三枝先生

IBD連携専門医
三枝先生からの回答

非腫瘍性ポリープはおそらく「炎症性ポリープ」または「過形成性ポリープ」だと思います。特に潰瘍性大腸炎の活動期(病状が悪い時)に炎症が強いと、その組織が再生する際に細胞が異常に増殖して発生し、炎症性ポリープが作られることがあります。がん化の可能性は低いので主治医の先生が言われた通り、経過観察で良いと思います。潰瘍性大腸炎の炎症が軽度でポリープができない方が良いですが、一概に「悪いこと」とは言い難いです。しかし、過去に強い炎症を起こした証拠でもあるため、再燃のリスクはあります。よって、継続加療で寛解を維持することと、定期的な大腸内視鏡検査は必ず必要です。過形成性ポリープも良性で、ほとんどがん化することはないため経過観察で良いと考えます。

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三枝陽一先生
淵野辺総合病院 内科 内視鏡副室長
三枝陽一先生
2001年 北里大学医学部卒業。北里大学病院 内科研修医
2003年 大和市立病院出向 内科後期研修医
2004年 北里大学東病院 消化器内科後期研修医、北里大学院入学
2008年 北里大学院卒業、学位取得。相模野病院出向
2018年 相模野病院 消化器センター部長
2018年 相模原保健所 疾病対策課
2025年 深川ギャザリアクリニック 副院長
2025年 淵野辺総合病院 内科 内視鏡副室長

<学会資格>
日本炎症性腸疾患学会 IBD連携専門医
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
難病指定医

【三枝先生のIBD診療】
淵野辺総合病院ホームページ
お問い合わせ:042-754-2222(代表)/予約センター:042-754-3271

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