原因の異なる腸炎を潰瘍性大腸炎の増悪と誤診されステロイド投与…大腿骨頭壊死が心配

医師と患者のお悩み相談2020/10/2

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原因の異なる大腸炎を潰瘍性大腸炎の増悪と間違えられてステロイドの治療を受けていました。60mg静注から漸減して20mgから錠剤になり、2か月で服用をやめました。総量は1,500mg位です。しかし、ステロイドは病状を悪化させただけでした。専門医ではなかったので診断を間違ってしまったのは仕方ないとは思っています。今は平穏な日常に戻れているので当時のことは忘れようと思っていたのですが、ステロイドによる大腿骨の壊死は数か月~数年して症状が現れると知り、将来が不安になってしまいました。
時間を経過して出てくるステロイドの副作用には他にどのようなものがあるのでしょうか?ステロイド開始後の骨減少率は、初めの数か月で極めて高く、骨の破壊リスクは短期間でもあると書いてありました。医師を信頼してステロイドを受け入れてしまったことを後悔しています。
(asacoさん 潰瘍性大腸炎歴30年)

三枝先生

IBDに詳しい
三枝先生からの回答

感染性腸炎、薬剤性腸炎など、原因の異なる大腸炎と潰瘍性大腸炎との誤診は、実はまれにあります。私は、潰瘍性大腸炎の治療前に感染症は便培養、大腸粘膜培養、血液検査で、できる限り感染症を否定してから治療します。当然ですが、感染性腸炎にステロイドを使用すると免疫が弱まり、病状が悪化してしまいます。薬剤性に関しては、薬剤を開始後しばらくして腸炎が悪化した際は薬剤性腸炎を疑い、まずは疑わしい薬を中止してもらいます。投与された年齢によりますが、2か月の短期間、総量1,500mgのステロイド使用であれば、多くの場合は、骨折や他の副作用も、今後出ない印象です。念のため、1度整形外科の受診と骨密度の測定をされたらいかがでしょうか。その上で骨密度の低下があれば、治療をお願いするのが良いと考えます。

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三枝陽一先生
深川ギャザリアクリニック 副院長
三枝陽一先生
2001年 北里大学医学部卒業。北里大学病院 内科研修医
2003年 大和市立病院出向 内科後期研修医
2004年 北里大学東病院 消化器内科後期研修医、北里大学院入学
2008年 北里大学院卒業、学位取得。相模野病院出向
2018年 相模野病院 消化器センター部長
2018年 相模原保健所 疾病対策課
2025年 深川ギャザリアクリニック 副院長

<学会資格>
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本消化器病学会専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医
難病指定医

三枝先生のIBD診療時間
月曜日:9:00~12:30
水曜日:9:00~12:30、14:00~18:00
土曜日:16:00~18:00
お問い合わせ:03-5653-3500(代表)

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