子どものIBD患者でも、がんのリスク高く
ニュース | 2017/10/31
一般の人に比べて、がんを発症するリスクはおよそ2倍
大人の潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)患者は、大腸がんを発症するリスクが高くなることが知られています。子どもの患者の場合は、がんの心配はないのでしょうか。これまで、子どものIBD患者のがん発症リスクについては、明らかになっていませんでした。
スウェーデンのカロリンスカ研究所では、スウェーデン国民患者登録データを用いて、18歳未満で発症した子どものIBD患者9,405例(潰瘍性大腸炎:4,648例、クローン病:3,768例、未分類:989例)と、年齢や性別などを一致させた一般の92,870人を調査。平均27歳になるまで調べ、がんを発症した割合を比較しました。
大腸がんだけでなく、白血病や皮膚がんのリスクも高く
その結果、子どもの頃にIBDを発症した患者では、1年間にがんを発症する人の割合が1,000人当たり3.3人と、一般の人(同1.5人)に比べて約2倍高いことがわかりました。特に大腸がんなど消化管がんのリスクが高く、白血病などの血液がんや、メラノーマなどの皮膚がんのリスクも高くなるという結果でした。
主任研究員のOlén氏は、「子どものうちにIBDを発症することで、炎症が起こっている期間が長くなります。慢性的な炎症が、がんを発症する原因になっていると考えられます」と解説。「ただし、一般の人に比べてがんのリスクが高くなるとはいえ、若い人ががんを発症することはまれ」とし、早期発見のためにも通院時の検査が重要だと述べています。
(IBDプラス編集部)
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