日常的な「電解水素水」の飲用でIBDモデル動物の症状が緩和、早期に回復
ニュース | 2023/7/4 更新
日常的な電解水素水の飲用で、IBDの症状は緩和するのか?
株式会社日本トリムと理化学研究所は「電解水素水」の日常的な飲用が、炎症性腸疾患(IBD)モデルラットの腸炎の症状を軽度に抑え、早期に回復させることを明らかにしたと発表しました。
電解水素水は、水道水を整水器で浄水・電気分解することで得られる、弱アルカリ性で分子状水素H2(molecular hydrogen)を含む飲用水のことです。
研究グループは今回、日常的な電解水素水の飲用がIBDの症状を緩和するのかについて、動物モデルで検証しました。
電解水素水を飲用したラットは腹部疼痛が軽度で炎症の程度も低かった
研究では、電解水素水を実験の10日前から飲用させ続けたラットに、IBDを引き起こす物質(TNBS)を投与し、その後の腹部疼痛の程度などを経時的に評価しました。腹部疼痛は、腸管内に圧力をかけた際の腹筋(外腹斜筋)からの筋電図反応に基づいた疼痛閾値(mmHg)により評価しました。
その結果、電解水素水を飲用したIBDモデルラットは腹部疼痛の程度が水道水飲用群よりも軽く、TNBS投与後6日目には消失していました。一方、水道水を飲用したIBDモデルラットは14日目に消失したそうです。
また、水道水を引用したモデルラットに比べて「腸組織の炎症程度」「血液中の酸化ストレスマーカー」「炎症マーカー」のいずれも低かったということです。
IBD患者さんでの効果の評価に期待
今回の研究により、電解水素水の日常的飲用が腸内炎症を抑制し、再発しやすいIBDの症状緩和に効果が期待される可能性が示唆されました。
「IBDモデルラットの飲み水を電解水素水に替えて継続飲用するだけで酸化ストレスや腸内炎症が抑制され、疼痛が緩和されていることから、今後、患者での効果の評価が待たれる」と、研究グループは述べています。
電解水素水に限らず、IBDの「炎症」や「痛み」を、日常的に簡単に抑える方法が一日も早く確立されることを願います。
(IBDプラス編集部)
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