免疫調節療法中の予防接種、十分な予防効果あり

ニュース2018/2/16

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患者のデータと既存の研究報告を調査

炎症性腸疾患(IBD)は、小児期に発症する患者も多い疾患です。小児期は、さまざまな病気に対する免疫を獲得するために、予防接種を受ける時期でもあります。IBDで免疫調節療法を行っている子どもが予防接種を受けた場合、免疫を獲得することができるのでしょうか。

アメリカのシンシナティ大学の研究グループは、2009~2015年の患者のデータから、10歳未満でIBDと診断され、レミケードなど抗TNF-α製剤で治療中の患者を抽出。その臨床経過や治療歴、予防接種歴などを調べました。また、IBDをはじめとする免疫調節薬で治療を行う疾患の患者について、予防接種の効果や安全性について調べた既存の研究を調査し、どのように報告されているのかも検討しました。

予防効果は劣るものの、予防には十分なレベル

患者データから抽出されたのは51例。そのうち、予防接種を終えた記録が残っていたのは34例(67%)で、17例は予防接種を終えていないか、記録が残っていませんでした。大人も含むIBD患者のB型肝炎ワクチン、肺炎球菌ワクチン、水痘ワクチンの予防効果や安全性について、これまでに報告された研究結果や症例報告など16の論文では、これらのワクチンを接種することで、副作用が問題となることはないと報告されていました。特に、抗TNF-α製剤などによる免疫調節療法を受けているIBD患者では、IBDでない人と比べてワクチンの予防効果は劣るものの、病気を防ぐのに必要なレベルに達していました。

研究グループは、免疫調節療法を行っていても、予防接種には十分な免疫獲得効果があると結論付けています。

(IBDプラス編集部)

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