IBD患者の腸上皮におけるUBDの発現が抗TNF-α抗体治療の効果予測指標となる可能性

ニュース2018/12/13

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炎症性腸疾患の原因に関わるとされる腸上皮

東京医科歯科大学は12月12日、炎症性腸疾患の腸上皮における炎症・再生をつかさどるシグナルが協調して発現を制御する遺伝子として、UBD遺伝子を新たに同定し、患者腸上皮における同遺伝子の発現が、疾患の活動性や抗TNF-a抗体療法の治療効果に応じて速やかに増減することを発見しました。

炎症性腸疾患の原因には、免疫を担当する細胞、腸内細菌などに加えて「腸上皮」が密接に関わっていると考えられており、炎症応答をつかさどるサイトカインであるTNF-aと、腸上皮の再生をつかさどるNotchシグナルが、どのような関わりをもって病的な環境における腸上皮の機能を制御しているのかは、判明していませんでした。

抗TNF-a抗体治療が有効だったUC患者では、UBDの発現が早期よりも減少

今回、研究グループは、ヒト腸上皮細胞株を用いた研究で、TNF-aとNotchシグナルが腸上皮細胞内で相互に協調して、遺伝子発現を調節することを初めて明らかにしました。また、同機構により転写調節を受ける代表的な遺伝子として「UBD」を同定。さらに、炎症性腸疾患の活動性に伴い腸上皮でのUBD遺伝子の発現が誘導され、抗TNF-a抗体治療の効果に伴い速やかに発現が低下することを明らかにしました。

実際に、炎症性腸疾患患者さんの腸粘膜では、活動性の炎症に伴い腸上皮のUBD発現が亢進。一方で、抗TNF-a抗体治療が有効だった潰瘍性大腸炎患者さんの腸粘膜組織では、腸上皮におけるUBDの発現が早期よりも減少していたそうです。これらの結果から、炎症性腸疾患患者さんの腸上皮におけるUBDの発現が、抗TNF-a抗体療法の早期治療効果を予測する指標となり得る可能性が示唆されました。

(IBDプラス編集部)

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