潰瘍性大腸炎の2薬を比較、ベドリズマブがアダリムマブより高い臨床的寛解・粘膜治癒を達成
ニュース | 2019/3/14
2つの生物学的製剤を初めて直接比較した臨床試験
武田薬品工業株式会社は3月9日、潰瘍性大腸炎を対象とした2つの生物学的製剤「ベドリズマブ」と「アダリムマブ」を直接比較し、ベドリズマブの方が有意に高い臨床的寛解率を達成したと発表しました。ベドリズマブ(製品名:Entyvio(R)、国内製品名:エンタイビオ(R))は、消化管に選択的に作用する生物学的製剤。アダリムマブも生物学的製剤で、抗TNFα抗体。今回の発表は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者さん769人を対象に行われた、臨床第3b相試験であるVARSITY試験の52週時点での結果となります。
52週時点で寛解率・粘膜治癒率ともベドリズマブが高率
同試験で主要評価項目である52週時点での臨床的寛解を達成した人の割合は、アダリムマブを皮下注射したグループでは22.5%だったのに対し、ベドリズマブを静脈内注射したグループでは31.3%で、両グループの間に統計学的有意差が認められました。また、ベドリズマブを注射したグループの方が、52週時点において有意に高い粘膜治癒率が認められました。同時点で粘膜治癒を達成した患者さんの割合は、アダリムマブのグループで27.7%であったのに対し、ベドリズマブのグループでは39.7%でした。
さらに、52週間を通しての有害事象全体の発現率を比較したところ、アダリムマブのグループが13.7%であったのに対し、ベドリズマブのグループは11.0%と、ベドリズマブの方が低いという結果になりました。
(IBDプラス編集部)
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