バイオ製剤での治療経験がないUC・CD、ベドリズマブの高い安全性を確認
ニュース | 2019/10/25
診療記録を用いたレトロスペクティブ研究「EVOLVE」
武田薬品工業株式会社は10月21日、診療記録を用いたレトロスペクティブ研究(調査の開始時点から過去にさかのぼって患者さんの情報を集める研究)である「EVOLVE」の結果を発表しました。同研究は、過去に生物学的製剤の投与を受けた経験のない中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎(UC)患者またはクローン病(CD)患者さんを対象に、ベドリズマブ(抗ヒトα4β7インテグリンモノクローナル抗体製剤)および抗TNFα抗体製剤による重篤な有害事象および重篤な感染症の発現の可能性を、実臨床の場において調査したもの。これらのデータは、スペインのバルセロナで開催された欧州消化器病週間(UEG Week)2019におけるオーラルプレゼンテーションセッションで発表されました。
重篤な有害事象、消化管感染症ともにベドリズマブ投与群で発現率低く
ベドリズマブまたは抗TNFα抗体製剤(アダリムマブ、インフリキシマブ、ゴリムマブまたはセルトリズマブ・ぺゴル)の投与を受けている、過去に生物学的製剤による治療を受けた経験のない1,000名以上のUC患者さんおよびCD患者さんからのデータを収集し、重篤な有害事象および重篤な感染症の発現割合(100人年あたり)をグループごとに推計しました。その結果、いずれもベドリズマブによる治療群での発現割合の方が抗TNFα抗体製剤による治療群よりも低いと推定されました。また、消化管感染症についても同様に、ベドリズマブによる治療群の方が低いと推定されました。さらに、UC患者さんとCD患者さん、それぞれの集団別に推計した場合でも、同様の傾向が認められました。
武田薬品は、「EVOLVEのような最新のリアルワールドエビデンスを科学会や臨床学会へ提供できることは、患者さんのケアを常に改善していくことに継続的に取り組む当社のコミットメントを表すものです」と、述べています。
(IBDプラス編集部)
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